街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

野生の観葉植物;クワズイモ

クワズイモの葉をかつぐ息子。切り口の汁に触れるとかぶれるので注意 僕が初めて沖縄へ訪れた約20年前のこと。郊外の細い道に入ると、雨傘になりそうな巨大な葉っぱが道端にわんさか茂っているではありませんか。艶やかでサトイモに似たハート形の葉っぱ。「…

沖縄のビーチの名脇役・アダン

海辺に生えたアダン。葉が傷んでいるが台風にも強く、大きな葉は長さ1mに達する 海岸の道端に車を停め、木陰を抜けたら、目の前に白いビーチが広がる……。南の島に訪れた人の多くが経験する感激の瞬間です。このシーンで、南国らしさを演出してくれる名脇役…

ソテツ列島・沖縄

ここは海を見下ろす断崖絶壁の岩場。夏は台風の暴風がたたきつけ、冬は強い北風が吹き続ける、そんな岩壁に力強く育つのが、野生のソテツ(蘇鉄)です。他の木が生育しにくい場所で、岩の隙間に根を伸ばすソテツは、樹高2〜5mほどになり、ほとんど枝分か…

沖縄の香りが漂う葉 〜ゲットウ

公園に生えた開花中のゲットウ。沖縄ではごく普通に見られる光景(那覇市) 「この葉っぱ、いい匂いがするよ。」 沖縄市の公園で出会った二人の少年に僕が葉を差し出すと、少年たちは、 「ムーチーの匂い!」 「ムーチーの葉っぱ!」 と声をそろえて言いまし…

奇妙な根が守る生態系 マングローブのヒルギ類

沖縄本島最大の慶佐次〈げさし〉のマングローブ林に見られるヤエヤマヒルギ 南国の海は、白い砂とエメラルドグリーンのサンゴ礁ばかりではありません。川から土砂が流れ込み、茶色く濁った水と、べとべとの干潟が広がる海もあります。そんな海と川の境目に見…

太古の森へタイムトリップ!? 〜ヘゴの仲間

見ると人を圧倒するヒカゲヘゴの林(沖縄本島大国林道) ここは太古の恐竜が棲む森か。そんな連想をかき立ててくれるのは、樹木のように背が高くなる木生〈もくせい〉シダの「へご」です。恐竜は出てきませんが、ヘゴ類が茂る沖縄の山地では、全身緑色のキノ…

1本の木でジャングル! 〜ガジュマル、アコウ

新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。 沖縄移住2年目となった昨年2015年、生け花小原流の『挿花』という月刊誌で、花材に使われる沖縄の野生植物を紹介する連載記事「亜熱帯の森から」を書きました。沖縄に来ていろんな植物を見て…

2016年葉っぱカレンダーつくりました

久しぶりのブログ更新です。この度、葉っぱスキャン画像を用いたカレンダーを初めて作りました。縦32cm、横18cmとコンパクトな壁掛け月めくりカレンダーで、白地にきれいなスキャン画像を配したシンプルなデザインになっています。リビングの白い壁や、玄関…

映画「標的の村」から見る沖縄県民と米軍基地問題

映画『標的の村』の無料上映会に行ってきた。沖縄本島北部・東村の高江に建設中の米軍基地ヘリパッドや、戦闘機オスプレイの配備に反対する住民たちを記録したドキュメンタリー映画だ。 痛い。胸が痛い。懸命に座り込んで反対するも、日本の警察によって強制…

沖縄カルチャーショック;街と交通編

さて、沖縄に引っ越して5ヶ月が経とうとしている。沖縄のことは、今まで旅行や居候、本などである程度知っているつもりだったけど、やっぱり住んでみて初めて知った沖縄(本島)ならではの特徴、カルチャーショックがいろいろある。馴染んでしまう前にメモ…

沖縄に引っ越しました

2014年2月28日午後3時、僕たち一家は鹿児島港に到着した。8人乗りの愛車の中は、パソコン一式、布団、1週間分の衣類、米、それに妻と2歳の息子で満載状態。ここから、本土と沖縄を結ぶ唯一のカーフェリーであるマルエーフェリーに乗り、24時間の船旅を楽し…

住めば都の広島2年間、さよなら

2年間住んだ広島県廿日市市を離れ、沖縄に移住することにした。沖縄移住は20年来の夢だったので、語れば長くなるし、突然のことではない。その前にここでは、広島での生活を振り返りたい。 拙宅があったのは、宮島を見下ろす郊外の高台にある一戸建て住宅街…

至近距離でクマに遭遇する;広島・島根県境の天狗石山

(クマ出没のシーンを実際の距離で筆者が再現) 秋分の日の三連休。樹木取材と1歳半になった息子の初登山を兼ねて、妻と母と共に広島・島根県境の天狗石山(標高1191m)に登ることにした。出発が遅れたのと渋滞もあって、標高800mの登山口に着いたのは午後1…

阿蘇山で躍動する大自然を感じる

熊本に行く用事があったので、ついでに阿蘇山に行ってきた。阿蘇はこれまで、カルデラ内で樹木観察をしたりドライブで通過したことはあったけど、ロープウェイのついた火口まで登ったのは実は幼少の頃以来。阿蘇パノラマラインや外輪山のミルクロード周辺は…

iPhone vs. Andoroidは歴然の差

昨年末、私も妻も携帯電話が古くなったので、ようやくスマートフォンに切り替えることにした。さて、アイフォンとアンドロイド携帯、どちらにしよう。私は15年以上前からMacintoshユーザーでiPod touchも使っていた(紛失)が、身の回りすべてを同一ブランド…

ぐるり長崎北西部を巡る旅

仕事の用事で長崎県に行ってきました。海、島、山に恵まれた長崎県は風光明媚なところですが、今回の旅ではそれを改めて再認識しました。長崎を代表する風景ってどこでしょう? 長崎市街、雲仙、諫早湾などいろいろ思い浮かびますが、写真の九十九島も象徴的…

三重県で南方系樹木の北限地帯を見る

夏の暑い盛りの7月31日、南方系樹木の北限自生地が多く見られる三重県を訪れて来ました。調べてみると、三重県内も南方系樹木が多いのは、志摩半島より南の尾鷲あたりのようなので、今回は尾鷲市とその北に接する紀北町をメインにまわってみました。1日だけ…

鹿児島・宮崎の照葉樹林で亜熱帯を感じる

梅雨の一瞬の晴れ間を縫って、6月22日からの3日間、南九州の鹿児島県と宮崎県で照葉樹林を巡ってきた。まず訪れたのは、マングローブの北限と言われる鹿児島市喜入(きいれ)のメヒルギ林。植物学界ではちょっと有名な場所で、国道沿いに見学用の駐車場や看…

四国南部で照葉樹林の絶景を巡る旅

いつもブログアップが遅れるのですが、今回は5月11〜12日に旅した四国南部をレポートします。照葉樹林(しょうようじゅりん≒常緑広葉樹林)がもっとも美しいといわれる新緑の季節に、いくつもの絶景を見ることができましたが、中でも最も印象に残ったのが大…

考えさせられる引越;広島県廿日市市へ

しばらくブログを留守している間にいろいろあり、3月に子どもが生まれ、4月から広島県廿日市市(はつかいちし)の旧大野町へ引っ越しました。世界遺産で神の島といわれる宮島の対岸です。写真の左端に見える島が宮島で、中央奥は周防大島、右端は本州の山…

命の誕生に立ち会って

2012年3月3日18時42分、我が家に第一子となる男の子が誕生した。妻の妊娠から毎月の定期検診、そして出産まで、僕はそのほとんどに立ち会い、感動した。 もともと、出産は恐くて男の入る世界ではないと思っていた。その考えが変わり、絶対に立ち会いたいと思…

[街]東京・秦野『葉っぱスキャンワールド』展のレポート

2011年の11月29日から1週間、3回目の個展となる展覧会『葉っぱスキャンワールド』を東京・四ッ谷で開催しました。会場は、後援をいただいた日本森林技術協会のオフィスビルの1Fロビー。展示用のスペースではありませんが、新しくてきれいな建物で、明るいガ…

林将之・個展「葉っぱスキャンワールド」開催のご案内

この度、3回目となる個展を下記要領にて開催することになったので、ご案内致します。私がこれまで集めてきた葉っぱスキャン画像の中から、よりすぐったアート作品約30展を拡大出力して展示予定です。東京会場の全日、神奈川会場の初日は私も会場におります…

私は潰瘍性大腸炎

4年前に青森を旅した時、旅館に着くや否やトイレに駆け込んだ。昼食の貝が当たったのか? 帰宅後も下痢は断続的に続き、お腹はギュルギュル鳴り続け、ひどい日は10回以上もトイレに駆け込んだ。やがて、排便時にドロッとした半透明の粘液が出るようになり、…

原発タブーの崩壊

福島原発の事故以来、日本の報道が大きく変わったことがある。「原発タブー」の崩壊だ。 2年前、私が取材していた上関原発問題を、ある週刊誌の編集部に持ち込んだ時の話。若い担当編集者は「ぜひ記事にしましょう!」と意気込んでくれたが、数日後、「ボツ…

原発と私

拙宅は、山口県の上関原子力発電所予定地から13kmの距離にある。窓からは、美しい上関町の島々が見渡せる。福島原発でいえば、強制避難区域の円の中だ。 私が5歳の時、上関原発計画は浮上した。子どもながら直感的に不安を感じていたが、大学進学で関東に移…

クマは絶滅するのか

薄暗い山奥の森を歩くのは、あるリスクが伴う。クマ(ツキノワグマ)との遭遇だ。彼らが人を攻撃するのは、彼らも人を恐れている時で、本来は人を襲う動物ではない。鈴やラジオをつけ常に音を発することで、クマの方から遭遇を避けてくれる。 生態系の頂点に…

木材自給率26%

日本の食料自給率40%、エネルギー自給率4%が危惧されているが、木材自給率を知る人は少ない。26%を高いとみるか、低いとみるか。 本、書類、新聞、ティッシ、木のテーブル、合板の本棚、木造住宅……私たちは木や紙の製品を大量に使っているのに、野山を見…

木を見て自然を読む

クヌギ、シラカシ、モチノキ……。15年前、関東の千葉大学に在学中の私が、雑木林でまず始めに覚えた木々だ。図鑑やノートを片手に、葉っぱとにらめっこしながら木を調べ、ようやく名前がわかると感激したものだ。 主要な木は覚えたつもりで、山口県田布施町の…

バラ色の印税生活?

「印税で遊んで暮らせるんでしょ?」 年に1冊のペースで樹木図鑑を出版していると、そう羨ましがる人もいるが、現実は甘くない。売上100万部クラスの有名人と、自分のようなマニアックな本ばかり作っているのは訳が違う。 印税はよくて10%だから、定価1,000…