街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

間違いだらけの看板がおもしろい

知人夫妻に誘われて長野県飯島町のシオジ平自然園(1300〜1480m)に行ってきた。シオジという木が生えている谷斜面一帯を長野県が整備したもので、遊歩道などがつくられている。なんてことはない場所だが、自然園というだけあって植物の名前や説明を書いた看…

台風通過3日後の滝子山で紅葉狩り

時間があったので山梨県東部の滝子山(1590m)に紅葉調査に行ってきた。特に変哲のない山だが、山梨百名山に指定されているだけあって標高1000m以上はミズナラやイヌブナ、ブナなどの良好な広葉樹林が広がっている。紅葉もそのあたりがピークで、麓は紅葉し…

表に出せない冒険家魂;秋田駒ヶ岳

ほぼ足を踏み入れたことがなかった秋田県に3日間訪れた。そのメインが秋田駒ヶ岳(1637m)である。約1300mの八合目までは車で登れ、あとは3時間ぐらいでグルッと山頂を回ってこれる比較的楽なコース。心配した通り、六〜七合目あたりで紅葉のピークは過ぎ…

皇海山で百名山の効果を考える

群馬にあるマイナーな山、皇海山(すかいさん・2147m)に登った。1日で登るには、未舗装の荒れた林道を20キロも走らないと登山口にたどりつけないという、アクセスの悪い山だ。しかし、朝早くからその林道を20台近くもの車が駆け抜ける。なぜそんなに人が集…

珍しく2回登った山;丹沢大山

2度目の丹沢大山(神奈川県・1252m)に登ってきた。山登り初心者の女の子と登った今回は体力づくりのつもりだったが、どうしても大山に登りたい理由があった。それは今年4月、稜線にマメザクラが咲く頃に登った時は、葉っぱがない木ばかりで何の木が生えて…

関東平野人になぜ有名か筑波山

筑波山(877m)に登ってみた。ケーブルカーとロープウェイが山頂まで登っており、信仰と観光で有名なあの茨城の山に、わざわざ歩いて登って歩いて降りてみた。関東に移り住んですぐに筑波山の名を覚えた気がする。行ったことはなかったのに何故だろう。私に…

12日間20森

お盆の帰省を兼ねて、12日ほどかけて西日本の森を20カ所ほどまわってきた。8月の残暑厳しい季節のはずなのにカンカン照りは一日もなく、また、本降りの雨も一日もなかったことが長旅を随分楽にしてくれた。この間、初めて自生状態を見た樹木は実に20種以上…

中国山地だって負けてない

日本百名山の一覧を見る度に、西日本の山がほとんど入っていないことに疑問を抱く。選者のことはよく知らないが、行動範囲に偏りがあったのか? 標高が高いほど面白い山と思うタイプだったのか? それとも単に、世の中が東日本(東京)中心で動いているだけ…

実家から一番近い照葉樹林

近頃、「照葉樹林」という言葉が一般にもよく使われるようになったが、なんてことはない、常緑広葉樹林のことだ。北は仙台や新潟から南は沖縄まで、海に近い低地なら照葉樹林はいくらでもある。ただ、売り文句としての「照葉樹林」は、古くから人の手が入っ…

昨日燃えたばかりです;大文字山

川崎から山口へ帰省すると、京都はちょうど中間地点だ。その京都市山科に1泊し、大文字山(466m)でも登るかと計画したら、ちょうどその日が大文字焼きの火入れ日だった。夜8時、新快速で山科駅に着いたけど、記念にと京都駅まで足を伸ばし、駅ビル屋上か…

東海のミニ尾瀬;葦毛湿原へ

ミズバショウもニッコウキスゲもないけど、「ミニ尾瀬」の愛称に恥じない面白い場所じゃないか。葦毛湿原(愛知県豊橋市)に第一歩を踏み込んだ時、そう思った。規模的には「ミニミニミニ尾瀬」ぐらいだが、凝縮されている分、いろいろな植物が込み入って生え…

西伊豆海岸の岩に登る

弟の車で伊豆半島ドライブに出かけた。白砂が美しい白浜海岸(下田市)、海辺の露天風呂で知られる雲見温泉(松崎町)が主要目的地。このエリアには、南方系の植物が北限生育地としていくつも分布しており、途中にアオギリ自生地、ハマボウ自生地にも訪れた…

念願のクマ遭遇

山歩き初心者の知人と尾瀬に出かけた。日帰りで時間もないので、鳩待峠から入り尾瀬ヶ原の途中まで行って引き返すという入門用コースを選択。「まぁ今回は仕方ないか」と思っていたが、それがクマさんとの出会いに結びついた。出発の数日前、クマの新聞記事…

サンコウチョウに笑われた

今日は宮崎市のはずれ、双石山(ぼろいしやま)に登ってきた。標高は400mちょいで、南限・北限植物など多様な植生が見られるとのことだが、一見しただけでは平凡な林相である。よく目を凝らさないと多様な植物に気付きにくい森のようだ。途中、正規の登山道…

霧島火山のほとりで死を思う

南九州への個人取材で、霧島火山群の第二峰・高千穂峰(1574m)に登った。山頂手前の火口では今も蒸気が噴き出しており、あたりに硫黄臭が漂う。その火口のふちを通るルートは通称「馬の背」と呼ばれ、なるほど道幅が狭く、地面は溶岩ゴロゴロ、両側ははる…

亜熱帯の玄関口、奄美大島へ

13年ぶりの奄美大島へやってきた。かつて私はここで初めてのスキューバダイビングに感動し、マングローブ林でカエルのように飛び跳ねるハゼを見て驚いた。今の私は重いダイビング機材を持ち運ぶのを嫌ってスノーケリングをし、飛び跳ねるハゼにはチラリと目…

幻のヤツガタケトウヒ

氷河期の生き残り樹木の一つ、ヤツガタケトウヒを求めて八ヶ岳南麓の西岳(2398m)を訪れた。同行したのは鳥や獣好きのご夫婦。こちらは樹木好きとあって、ともに道草をしながら超スローペースで登る。予定通り山頂にはたどりつけず、標高1950mで引き返し…

川崎のホタル

川崎最後の里山と言われる黒川にホタルを見に行ってきた。雨上がりの少し蒸し暑い夜、条件は文句なしだ。ゲンジボタルの季節はもう終わりに近いかと心配したが、今日見ることができたのはすべてゲンジだった。最初の1匹目のホタルを探すのはいつもワクワク…