街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

乗鞍岳でお手軽登山と紅葉

高山の紅葉風景を楽しむために、北アルプスの南端、長野・岐阜県境にある乗鞍岳(3026m)に行ってきました。といっても、山頂付近は既に紅葉は終わり、雪がうっすら積もっています。今年の初冠雪は9月下旬、紅葉も昨年よりやや早いらしく、今は乗鞍高原と呼…

丹沢山麓でミニ・スキャン展開催中

葉っぱスキャン作品の展示会のご案内です。神奈川県松田町にある小さなカフェ&自然食レストラン「荷風(かふう)」で、簡素ではありますが、私の葉っぱスキャン作品が10月いっぱい飾られています。このカフェがある場所は、丹沢山地の麓、寄(やどりぎ)と…

若狭湾の原発銀座ぶらりレポート

原発先進県といえば福井県。リアス式海岸が入り組む人口希薄な若狭湾一帯には、敦賀原発(2基)、美浜原発(3基)、高浜原発(4基)、大飯原発(4基)、それに新型転換炉ふげん(現在廃炉手続き中)、高速増殖炉もんじゅ(現在改造工事中)を合わせた計15基…

上関町役場の密室で多数決される重大議案

民主主義の原則は多数決である。では、少数意見は無視してよいか。もしそうなら、多くの社会問題は簡単に解決するだろう。地域格差、情報格差、所得格差、健康格差・・・どれも少数派の意見は切り捨てればいいし、ゴミ処理場、火葬場、刑務所、屠畜場、軍事…

山口県庁大混乱;不可解な山口県の応対

(私はこの現場に居合わせ、この事実を詳細に記録する必要を感じたのでここに記します) 朝9時、山口県庁前に大型バス2台が横付けされると、「原発絶対反対」のはちまきを巻いた祝島(いわいしま)の島民約50人が、次々と県庁内に駆け込んでいった。目的は…

広島→山口ピースウォーク初参加

9月3日から1週間、「瀬戸内の海と川と平和を守るウォーク」というイベントに参加してみた。広島市の平和記念公園をスタートし、ゴールの山口県庁までの約150kmを、山口県の上関原発反対、錦川・平瀬ダム反対、米軍岩国基地増強反対などを訴えて歩くピースウ…

豊島産廃問題は終わっていなかった

また一つ嫌なことを知ってしまった。瀬戸内海に浮かぶ香川県の豊島(てしま)と言えば、1990年に産業廃棄物の大量不法投棄ニュースが全国を駆け巡ったことを記憶している人は多いだろう。当時中学生だった私も漠然とそのニュースを知っていたのだが、その豊…

祝島の停電で知る電気のありがたみ?

山口県と大分県の海を挟んで、4年に1度行われる神舞(かんまい)というお祭りに行ってきた。約1120年前、大分県の宮司が嵐にあって山口県上関町の祝島に漂着した際、助けてもらったお礼に作物の種を渡し、その作物によって祝島の農耕が発達し豊かになった…

日本海側気候の西端;大山の樹木

中国地方の最高峰、大山(1729m)にようやく登ることができた。といっても、本当の山頂(剣ケ峰)は崩壊が著しくて立入制限されているので、山小屋のある弥山(1709m)までの往復である。それくらい、大山は地盤がもろくて崩れやすい山である。また、大山と…

霧中の玉原高原で牛歩観察

思い返してみれば、僕の樹木観察の旅はいつも時間に追われている。限られた時間で多くの場所を見ようとするから、立ち止まっての観察&撮影と、足早の移動を繰り返してきた。今日はそんなせっかちな観察スタイルを抜け出して、ひたすらゆっくり・じっくり楽…

船場吉兆が「悪」とは思わない

高級料亭の「船場吉兆」が、まだ食べられる食品の賞味期限ラベルを貼り直して再び販売し、まだ食べられる食べ残し料理を再び客に出していた。別に実害を受けた人がいる訳でもないようだし、僕の正直な感想は、「えっ、そんなに悪いこと?」。むしろ、物を粗…

吉野の桜が日本一の理由

それが分かった気がする。なぜ吉野山(奈良県吉野町)のサクラが日本一と言われるのか。答えは簡単で、目に入るサクラの95%以上が日本古来のヤマザクラ(山桜)だからだろう。 ご存じの通り、私たちがふつう花見をするのはソメイヨシノ(染井吉野)と呼ばれ…

個展「葉っぱスキャンワールド」

初めて展覧会なるものを開きました。その名も「葉っぱスキャンワールド」(2008年3月12日〜17日)。葉っぱをはじめとした植物のスキャン画像を、A3(ノビ)〜A1(ノビ)サイズに拡大出力してパネル展示しました。今までスキャン画像を作品として展示するなん…

パウダースノーの四国・桑瀬峠

一瞬、頭上のガスがすーっと流れた。真っ白な雲と雪の間からのぞいたのは、深く深く青い空。パシャパシャとシャッターを6、7枚切って顔を上げると、またガスで白く染まった。今日見た紺碧の空は、この一瞬だけだった。 今朝まで2日間降り続いた春のドカ雪…

節電のために、東京に原発を

去る1月27日に、東京駅周辺で行われた反核パレードに参加してきた。青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設の本格稼働反対を訴えるデモ行進だ。突然どしちゃったの? と思われそうだけど、これには経緯がある。1か月以上ブログを書けなかったのも、そのための勉…

岐阜の名山;金華山

年末、郷里の山口県に帰省する途中に、岐阜駅に途中下車してみた。駅の近くには金華山(きんかざん;328m)というハイキングにぴったりの山があり、岐阜城やロープウェイもあって市民憩いの場となっているようなので、以前から訪れてみたかったのだけど、ず…

聖なる夜に感謝して肉を食え

クリスマス・ディナーの前に映画を見てきた。映画といっても、「食」をテーマにしたドキュメンタリー、その名も『いのちの食べかた』。原題は『OUR DAILY BREAD』とあり、宗教的な意味合いもあるらしいが、直訳すれば「日々の私たちのめし」といった感じか。…

西日本の紅葉巡り

幸い今年は紅葉が遅れているので、この時期に西日本の紅葉巡りを堪能することができました。関西から九州の紅葉名所ではイロハモミジやイチョウなどの紅葉がピークです。九州の低山では、ハゼノキの赤、アカメガシワの黄、コナラの橙がとにかく目立ちます。…

つかの間の紅葉巡り;富士河口湖

個人的には今年の”師走”は11月のようです。忙しさの合間を縫って、富士五湖の山中湖と河口湖周辺に紅葉巡りに行ってきました。主目的はこれ、カラマツの紅葉を撮ること。神奈川県ではカラマツはほとんど見ることができないのに、お隣の山梨県に行くとうじゃ…

CO2を最もよく固定する樹木は何か?

環境系の雑誌『ソトコト 12月号』に記事を書きました。特集「森の魔力」内の「CO2固定のための樹木カタログ」という4ページ記事ですが、本文の内容は、最近ブームの植樹活動にまつわる誤解や、我が国の木材自給率の低さ(20%)、海外の違法伐採にまで触れ…

岩峰・瑞牆山の紅葉と樹木

1週間遅れといわれる今年の紅葉適期を見計らって、山梨県の瑞牆山(みずがきやま:2230m)に登ってきた。今回の目的は、オガラバナ、ヒトツバカエデ、アサノハカエデの紅葉を撮影すること。 登山口に向かう途中、増富温泉のある標高1100mあたりから紅葉した…

日本一美しい!? 大雪山の紅葉

日本の紅葉は、大雪山から下ってゆく。北海道の最高峰・旭岳(2290m)を含む大雪山は、紅葉が日本一早いことで知られ、一説にはその美しさも日本一と聞く。三連休を避けて訪れた9月25・26日は、標高1500m前後が紅葉のピークを迎えていた。けれども生憎25日は…

魅せられたジブリ映画の背景画

美術館など見向きもしない自分が、珍しくすすんで美術館に行った。東京都現代美術館の男鹿和雄展。ジブリ映画「となりのトトロ」「もののけ姫」「平成狸合戦ぽんぽこ」などの背景画を描いている人で、これまでの作品や下絵を600点以上も公開した企画展(10月…

山の上で過ごす一日;飯豊山

高い山の登ると、空を撮りたくなる。子供の頃は、空なんていつでもどこでも見られると思っていたのに、空をきれいと思うようになったのはいつからだろう。きっと、汚い大人の世界に住むようになってからだと思う。・・・などと考えてみる。 晴天の土日、ベテ…

見せることに意義;クジラ解体

少し前にこのブログで屠殺場のことに触れた。でも自分は、屠殺場を訪れた経験がなかった。そんなとき、千葉県南房総市和田町でクジラの解体を見学できることを聞いたので、さっそく知人と一緒に行ってみた。和田町は日本に6カ所ある捕鯨基地のひとつで、年…

富士山で高山病を経験して思う

張り切って富士登山にチャレンジしたはいいけど、まさか高山病体験記を書くことになるとは思っても・・・みていた。一緒に登ったメンバーは同世代のフットサル仲間9人。その半数以上は登山初心者で、登山前に僕は「高山病は誰にでも起こりうるから、気分が…

日本有数の多雨地帯;屋久島の大雨

12日から16日まで、世界遺産であまりに有名になった屋久島に行ってきた。屋久島に特別関心が高かった訳ではないが、あまりに有名になったから行っておく必要を感じていた。屋久島といえば日本有数、いや世界有数の多雨地帯で、年間降水量は東京の約3倍、5000…

9日間21森;照葉樹林を巡る旅

7月12日から22日まで、屋久島、鹿児島、宮崎などの森を巡ってきた。台風と梅雨で大変な季節だったけど、鬱蒼とした照葉樹林にはむしろ雨が似合うかも知れない。写真は照葉樹林の町として知られる綾の照葉大吊橋。観察地と注目樹木の記録を以下に記しておく。…

日本のウルシ文化は何処へ

6月30日から4日間、青森県の下北半島〜八戸と岩手県北部をぐるっと回ってきた。今回の旅のメインは下北半島。海岸線にニッコウキスゲやノハナショウブの花が咲き乱れ、ハイネズやガンコウランが地面を覆う光景は、それはそれで印象的だった。けれども、美し…

夜道で轢いてしまったもの

むしむしした深夜0時過ぎ、駅から自宅まで標高差50mの坂道をマウンテンバイクで必死に漕いでいた。木々に囲まれた薄暗い路面に、キラッと細長い何かが光った。液体? ビニール? それをマウンテンバイクのタイヤが轢(ひ)いたとき、「ペチッ」と音がした。…