東海のミニ尾瀬;葦毛湿原へ
ミズバショウもニッコウキスゲもないけど、「ミニ尾瀬」の愛称に恥じない面白い場所じゃないか。
葦毛湿原(愛知県豊橋市)に第一歩を踏み込んだ時、そう思った。規模的には「ミニミニミニ尾瀬」ぐらいだが、凝縮されている分、いろいろな植物が込み入って生えており、木道から手に取れる距離にも木が多い。一方の尾瀬は広々しすぎてて、はるか遠くに木が生えているだけで、どこまで歩いても同じ湿原風景が広がっているイメージがある。その点、数十分で湿原全体をまわれるミニ尾瀬は手軽に「制覇感」を感じることもでき、ちょっとした散策には程良いかも知れない。
平日だが湿原手前の駐車場には10台以上の車がとまっており、親子連れ、老夫婦、カメラオタク、若者カップルも歩いており、標高65mならではのお手頃感が漂っている。ヒールをはいてコツコツ木道を歩く女性もいた。大自然のなかでこうした女性を見かけると、「ここはヒールで来るような場所じゃない!」と怒る人がよくいるが、私はむしろ微笑ましくも感じる。