街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

実家から一番近い照葉樹林

発見したモクゲンジ


近頃、「照葉樹林」という言葉が一般にもよく使われるようになったが、なんてことはない、常緑広葉樹林のことだ。北は仙台や新潟から南は沖縄まで、海に近い低地なら照葉樹林はいくらでもある。ただ、売り文句としての「照葉樹林」は、古くから人の手が入っていない天然の照葉樹林を指している場合が多い。

私の実家から最も近い「照葉樹林」は、象鼻ヶ崎という半島にある峨嵋山樹林(山口県光市)である。車で10分ほどのところにあり、最近は帰郷する度に寄っている。今回はロープを伝って急傾斜地を降り、海岸沿いの岩場を歩いてみた。すると、モクゲンジという珍木を見つけた。中国原産説と日本原産説がある木だが、光市には沖合の牛島に「モクゲンジ自生地」があり、天然記念物に指定されている。その個体が本州側にも生育地を広げていたのだ。

これ以外にも、樹林内にはハマニンドウという暖地性のつる植物がたくさん生育しているが、モクゲンジ、ハマニンドウとも、多くの図鑑では当地域は分布域には含まれていないようだ。今の時代でもそうゆう新しい発見があるから、この森はおもしろい。

【今日見た注目種】
モクゲンジ、イブキ、ヤマモモ、コバンモチ、クロガネモチ、ミミズバイ、カンザブロウノキ、クロバイ、クロキ、タイミンタチバナ、ザイフリボク、アカマツ、ハマクサギ、ハマニンドウ、マルバハギ、フナムシ節足動物)、アカテガニ節足動物