間違いだらけの看板がおもしろい
知人夫妻に誘われて長野県飯島町のシオジ平自然園(1300〜1480m)に行ってきた。シオジという木が生えている谷斜面一帯を長野県が整備したもので、遊歩道などがつくられている。なんてことはない場所だが、自然園というだけあって植物の名前や説明を書いた看板が所々に設置されている。
写真の看板には、「うこぎ科 ハソギリ」と書かれている。おもしろい。ウコギ科の「ハリギリ(針桐)」という木を、看板製作担当者が読み間違えたことが容易に想像できる。この看板には、鉛筆で「ソ」に×をつけて「リ」と書かれていた。いてもたってもいられないお客さんが訂正してあげたのだろう。次に見た看板では、「ウスギョウラク」というユニークな植物名があった。ツツジ科の「ウスギヨウラク(薄黄瓔珞)」を間違えたのだろうが、「ギョウラク」と読んだのは初めて見る例である。
この他にも、ある樹木の説明が看板に詳しく書かれているのだが、その樹木が看板の周囲に見当たらないものがいくつもあった。この看板を見たお客さんは、看板のすぐ横にある雑木がその木なのだと勘違いするに違いない。ひどいもんだが、世間の樹木看板の正確さはこの程度である。誰かが甚大な被害を被るわけではないし、正誤をチェックできる人間も少ないからだ。
【今日見た注目種】
シオジ、キハダ、ウダイカンバ、ヤハズハンノキ、ヤシャブシ、オオバアサガラ、カラマツ、モミ、ウラジロモミ、チョウセンゴヨウ、ゴヨウマツ、ホソエカエデ、ヒナウチワカエデ、エドヒガン、エゾノコリンゴ、バイカツツジ、ニホンザル(獣)