御前山で春の雪山に挑戦
雪の積もった山にちゃんと登ってみたかったので、登山の先輩と一緒に東京都奥多摩町の御前山(ごぜんやま:1405m)に登ってみた。一般には馴染みの薄い山かも知れないが、三頭山、大岳山とともに「奥多摩三山」に数えられるから、関東のハイカーにとっては有名な山のはずだ。
今週はかなり暖かかったが、昨晩はグンと冷え込んだだけあって、登山口(北側斜面)の標高450mあたりからガチガチに凍った雪がある。800mを超えたあたりから地面全体が雪に覆われるほどになったので、初めて軽アイゼンを装着して登ってみる。恥ずかしながらこれで今日の目的達成だ。ほどよく凍った雪上は、道に縛られることなく自由に歩けるからかなり楽しい。意外と土の上と変わらぬように歩けるものだと思った。
今回、3月とはいえ初めての雪山だったので、登山の先輩に必要な小道具をあらかじめ聞いておいた。アイゼン、手袋、ニット帽、サングラス・・・。アイゼンや手袋はいいとして、ニット帽とサングラスは持参したもののやっぱり使わなかった。理由は、気温3度で極端に寒くはなかったこともあるが、なにせ、帽子を耳までかぶれば自然の音が聞こえないし、サングラスをかれば自然の色が見えないことにある。やっぱり、かすかな鳥の声や獣の足音に気付きたいし、遠くで咲くマンサクの花や雪上を歩く雪虫を見逃したくない。だから私は、いつの季節も目や耳にフィルターをつけることを嫌ってしまう。