街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

天下の嶮・箱根一里を歩く

駒ヶ岳山頂


 かねてから歩いておきたかった箱根の最高峰・神山(1437m)に登ってきた。とはいっても、芦ノ湖湖畔の箱根園までバスで行き、駒ヶ岳ロープウェイ駒ヶ岳(1356m)に登り、そこから登ったので標高差は大したことない。

 駒ヶ岳は粘性の高い溶岩によるドーム型火山で、こんもり盛り上がった山頂部が特徴だ。ロープウェイでいとも簡単に登ったわけだけど、山頂は芝草や笹原が広がり、富士山や芦ノ湖の眺めも最高、思った以上に気持ちの良い場所だった。僕のような登山姿の人間は少数で、革靴の観光客や、芝生でお弁当を食べにきたようなピクニック姿のグループが目立つ。んー、ここでお弁当を食べたりビールを飲んだりしたらなんて最高なんだろう・・・と思いつつも、神山に向かって歩き始めた。

 箱根エリアは、富士山や伊豆エリアとともにフォッサマグナの主要地域で、植物も特殊なものが多い。低木林が広がる駒ヶ岳北側斜面〜神山にかけての森は、リョウブやヒメシャラ、ミヤマイボタ、ニシキウツギなどが多く、コウグイスカグラやサンショウバラなどの珍しい木も交じる。ハコネコメツツジやムラサキツリガネツツジは見逃してしまった。土壌が流出しやすいのか、深くえぐれた登山道が多かったが、歩くのはなかなか面白かった。

 神山を越えて北斜面に差しかかると、急に硫黄の臭いが漂い始める。大涌谷や早雲地獄から吹き出ている火山ガスが流れてくるのだ。大涌谷へ降りる道は火山ガスのせいか通行止めなので、下りは箱根登山鉄道ケーブルカーの早雲山駅(751m)まで歩いた。長い下りは膝を痛めやすいので要注意だ。こうゆう辛くて長い峠歩きをするときに、箱根八里の歌が歌われたのだろうか。今日、僕が4時間かけてセカセカ歩いた距離は約5km。1里は約4kmだから、箱根一里にすぎない。

【今日見た注目種】
コウグイスカグラ(開花)、ヒメシャラ、ハコネハナヒリノキ、トウゴクミツバツツジ(一部開花)、サラサドウダン、ベニドウダン、サンショウバラ、マメザクラ(山頂で花あり)、シモツケ、モリイバラ、バライチゴ、ミヤマウコギ、オオイタヤメイゲツ、アオダモ、ツルシキミ、クロツグミ(鳥)、オオルリ(鳥)、ヒガラ(鳥)、ツチハンミョウ(虫)