街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

北海道の木、エゾマツを探せ

 3日間ほど北海道を訪れた。今回の旅は、珍しい木々を探すのではなく、北海道ならではの「ありふれた木」を見て回るのことにした。特に、北海道を代表する針葉樹、トドマツ、アカエゾマツ、エゾマツの3種を写真に収めることをひとつの目標にしていた。しかし、結果はちょっと不本意であった。旭川富良野、札幌の観光地や公園を中心にまわったのだが、トドマツ、アカエゾマツは野生、植栽ともに多数見るのに、エゾマツになかなか出会えない。いつか出会えるだろうと思いつつ、3日間が過ぎた。結局、出会えたエゾマツは1個体のみ。富良野で泊まったホテル周辺を散策したときに、道路沿いの小屋の脇に生えていた1本(写真)のみだ。

 北海道の木は「エゾマツ」なのに、こんなに少なくて良いものだろうか。それとも自分が見逃していただけなのか。いや、確かにエゾマツは見なかった。遠くに見える山の木々にはエゾマツが交じっていたのかも知れないが、実際に葉を手に取って見た木は、すべてアカエゾマツやドイツトウヒ、プンゲンストウヒだった(参考:エゾマツとアカエゾマツはマツ科トウヒ属。これに対しトドマツはマツ科モミ属)。一般に言う「エゾマツ」には、アカエゾマツも含まれる。訪道4回目の自分が言うのもなんだが、恐らく北海道の人が見ている「エゾマツ」の大半はアカエゾマツだろう。アカエゾマツは、街路樹、高速道路沿い、公園や観光地、植林地にも多数見られた。いずれにしても、また北海道を訪れて再確認したい気持ちが強く残った。

【今回多く見た針葉樹】
アカエゾマツ(植栽された若木が特に多い)、トドマツ(野生も植栽も比較的大きな個体を多く見る)、ドイツトウヒ(公園や市街地に普通に植栽されている)、プンゲンストウヒ(公園や市街地に意外と多く植栽されている)、ヨーロッパアカマツ(欠頂木が多い。アカマツの植栽は見ない)、ストローブマツ(古くに植えられたと思われる木が多い)、カラマツ(個体数では最多か)、モンタナマツ(植え込みの低木に多い)、イチイ(公園にポツンと植えられたものが多い)