街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

「夏の夜の夢」撮影;秦野

 1週間ほど前、所用でカラスウリの花を撮影しに出かけた。出かけるといっても、カラスウリなんて雑草は近所にうじゃうじゃ生えているから、家から歩いていける範囲にたくさん咲いているはずである。厄介なのは夜にしか咲かないこと。だから、昼間にあらかじめ撮影しやすい位置を確認しておき、日が暮れた7時頃にもう一度訪れてみた。

 咲いてる咲いてる!

 まじまじと見るのは4年ぶりぐらい。前回見たのは、深夜に友人に呼び出されてしぶしぶ友人宅に歩いて行く途中だった。カラスウリのお陰で、そういうどうでもいい記憶も残っている。とにかく、身近な雑草とはいえ注意しないと何年もお目にかかれない花なのだ。にしてもたくさん咲いている。昼間見たときはつぼみが少なかったから、あまり咲かないかもなと心配していたのだが、どうやら昼間は葉っぱの下につぼみが隠れており、一晩で葉っぱの上にまで伸びて咲くようである。

 そうこう考えなら歩いていると、あっ! セミの羽化だ。しかもちょうどカラスウリの花のすぐ下に。おー、これも夜しか見られない風物詩だし久しぶりだな。去年も見たけど、人生の中ではまだ4〜5回しか見ていない。夏の夜の夢・・・と呼ぶに相応しい二つの被写体を同時に見つけ、新聞社に送ってみようなかとふと思った。いろんな構図を試してみたけど、結局オーソドックスに真正面から撮ったこの写真が、表題のタイトルにて8月27日付の朝日新聞朝刊横浜版に掲載された。