街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

岐阜の名山;金華山

 年末、郷里の山口県に帰省する途中に、岐阜駅に途中下車してみた。駅の近くには金華山(きんかざん;328m)というハイキングにぴったりの山があり、岐阜城やロープウェイもあって市民憩いの場となっているようなので、以前から訪れてみたかったのだけど、ずっと立ち寄る機会のなかった街である。

 いくつも登山道があるが、植生の違いを楽しむために、南側の岩戸公園からアカマツ林地帯を登り、「七曲がり登山道」のコジイ林を経て山頂の岐阜城へ、帰りは北側の「瞑想の小径」から岐阜公園へ下りた。登山口付近では地形図の点線通りに道がなく、入口探しに多少苦労したけど、あとは順調に快適な散策を楽しめた。山頂レストランではこの絶景を眺めながら、名物どて丼を食った。ハイキングを楽しむ親子連れや、地元のおじさん、ロープウェイでデートに訪れた若者など、多様な人々が訪れる雰囲気のいい山だった。

 植生も下調べの情報通り、見事な(というか単調なほどの)コジイ林で、ジュズネノキやリンボクなど、暖地性の木も結構見られたのは意外であった。また、山の所々に真っ赤な実をつけたタマミズキが点在し、まるで紅葉のモミジように常緑樹林を彩っていたのも印象的だった。岐阜城から眺めると、周辺山々の稜線を境にお城側がコジイ林、市街地側がアカマツ・アベマキ林にくっきり分かれていた。恐らく、お城側の林は昔から禁伐とされ、市街地側の林は市民の燃料などに使われたのだろう。今は、両方使われていないだろう。

【この日見た注目種】
ジュズネノキ、リンボク、カゴノキ、コジイ、クチナシ、カナメモチ、シャシャンボ、ガンピ、ネズミサシ、ユズリハ、アベマキ、タマミズキ、ザイフリボク、モチツツジ狂咲、コオロギ類の鳴き声(虫)、タマミズキの実を食べるヒヨドリ(鳥)