街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

山口県一のダイビングスポット;青海島

 年に一度ぐらいスキューバダイビングをしたい! ということで、山口県内で最もダイバーに人気という青海島(おうみしま)の船越海岸に行ってきた。洋上アルプスと形容される切り立った岩と、日本海の澄んだ海が美しいポイントである。海岸の入口は小さな浜があって海水浴場になっているが、この右手に数百メートルほどすすむと、海上にそびえ立つ大小の岩々が現れ、見るからに楽しそうな地形が広がっているのだ。

 僕のダイビング歴は50本(中級者クラスか)ほどだけど、日本海で潜るのは初めて。水深2mで潜行すると、すぐにマダイやメジナの若魚、キュウセン、カワハギの群れが目前に寄ってきた。海底は灰色の砂利で、華やかさはないけど透明感のある海の色。これまで国内では伊豆、房総、瀬戸内海、沖縄などで潜ってきたけど、どれとも少しずつ違った雰囲気だ。対馬暖流が流れ込む場所なので、沖縄などで見られる熱帯魚の子供(死滅回遊魚)を期待したけど、思ったより少ない。

 さらに進むと、両側に切り立った垂直の岩が現れ、その間を迷路のように水深6mの道が走る。海藻の隙間にはメバルカサゴ、アカハタも見え隠れする。突き当たりには洞窟があり、岩壁には色とりどりのウミウシが貼りついていた。洞窟の終点の海底に寝転がると、頭上6mには銀色のガラスのような水面が広がり、水上にある洞窟の天井が透けて見えた。僕が吐き出す泡が、空気のように透明な水を駆け上がり、ガラスの水面を突き破る。まるで異次元の世界に身を置いたような、今日のハイライトシーンだ。

 重いボンベを背負って圧縮空気を吸う海中は、日頃陸上で暮らす人間にとって決して快適とは言えない環境だ。けれども、年に一度こうして美しい水中世界に浸ることで、僕の感性は研ぎ澄まされ、自然に溶け込む感覚を思い出す。それは、青々とした深い森に入り込んだ時の感覚ともよく似ている。

【今日見た魚】
テンス、キハッソク、キンチャクダイ幼魚、ヨウジウオ、アオヤガラ、コロダイ、タカノハダイミノカサゴ、カンパチ、ソラスズメダイ、スズメダイカミナリベラ、ホンソメワケベラ、オハグロベラ、キュウセン、ニシキベラ、ササノハベラ、ミナミホタテウミヘビ、アイゴ、ネンブツダイ、ニジギンポヘビギンポゴンズイ、ウバウオ、チャガラ、アナハゼ、トラギス、アカハタ、アイナメアカエイカサゴメバルウミタナゴ、キス、オキナヒメジ、フエフキダイ、イシダイ、クロダイ、マダイ、メジナカマス、アジ、カワハギ、ウマヅラハギ、クサフグコウイカ(軟体動物)、アオリイカ(軟体動物)、サラサエビ節足動物)、タコクラゲ(刺胞動物)、サンゴイソギンチャク刺胞動物)、ガンガゼ棘皮動物)、ウミシダ(棘皮動物