山口の海に戻ってきた
長らくブログが止まっていた間に、海がよく見える新居に引っ越した。といっても、海が少し見える実家から、車で10分しか離れていない場所だ。仕事場は実家にそのまま残してあるから、海を見ながら10分の通勤をする日々。無駄なことをしているようだが、もういい歳なんだし、親元を離れて人生初のマイカー通勤をするのもいい経験だろう。それにしても、子どもの頃から当たり前に見ていたこの海。改めて毎日眺めていると、すさんだ心が洗われるようだ。
海に近づいたのは住まいだけじゃない。最近、釣りにハマっている。釣りは小中学生の頃によくやったけど、大人になってからは数えるほど。それを今は連日のようにやっている。上は地元の麻里府港(山口県田布施町)での釣果。サビキ仕掛けで20cm前後のアジやクロ(メジナ)、タナゴなどが釣れ、砂地に投げればキス、それにカレイも釣れた。深場には小さなメバルやカサゴ、マダイもいる。おっと、写真の魚は10cm程度のリリースサイズだけど、今回は特別サンプルのため持ち帰りました(^^ゞ 夜になるとアナゴも結構釣れるからおもしろい。
アナゴ狙いの夜釣りをしていると、ウミケムシという毛虫のお化けみたいなのが釣れることがある。こいつは夜行性のゴカイの仲間で、釣りエサの本虫(イワイソメ)やアジの切り身を丸呑みする、恐るべし外道。毒のある無数の剛毛を流れるように動かし、海面近くを泳いだりもする。釣り人や漁師さん以外には一生知られないであろう不思議な生き物だが、これも多様な生命を育む海のおもしろさだ。
釣りの楽しさは、釣った魚を食べられることにもある。潰瘍性大腸炎で肉が食べられない僕にとって、新鮮な主食を大量調達できる釣りは、趣味の域を超えている。ただ、新鮮な刺身や焼き魚、煮魚は、子供の頃から嫌というほど食べてきたから、内陸の人が想像するほどのありがたみはない。だから、いろんな料理を作って飽きないようにしたいところだ。干物もその一つ。関東に住んでいた10年前、知人にもらって食べた小田原産のアジの高級干物が、僕が経験した最高の魚の味だ。今はその味を目指して、漬け込む塩水やだしのあんばい、干し方などを研究中である。