サルの領域に入る
今日は大阪の紅葉名所;箕面公園を訪れた。ここもイロハモミジが中心だが、渓流沿いに樹高15mに及ぶような古木が多く、昨日の高雄に比べるとスケールがでかい。以前に箕面公園を訪れた時は、箕面川の西側斜面の森を歩いたので、今回は箕面大滝から東側に登ってゆき、「こもれびの森」と名付けられた一帯(最高地375m)を歩いてみた。
晩秋とは思えない陽気の中、人気のない階段つきの山道をただ一人登る。ぼんやり考え事をしながら、地面ばかり見て歩いていた。ふと顔を上げると、わずか60cmほど前方の手すりの上にサルが座っており、至近距離で突然目があった。「おわっ!」とびびって、とっさに2、3歩後ずさりした。サルの方は歯ぐきを出して「キーッ」という顔(声は出してない)で威嚇して、森の中に消えていった。雄ザルだった。あのサルはこっちに気づかなかったのだろうか? とりあえず、自分がサルの領域に侵入していることは認識した。
そこから100mほど歩いた尾根部で、また森の奥からサルらしき物音がする。立ち止まって凝視していると、次々とサルが現れた。雄ザル、雌ザル、子ザル・・・全部で20匹ぐらいの群れだ。私の目の前や後ろを平気で横切り、道の真ん中で毛づくろいを始める。警戒する訳でもなく、食べ物をねだるで訳でもなく、こちらの存在をほとんど気にしていないようだ。そういえば、箕面公園の遊歩道には「サルに餌をあげないで」「サルを自然に戻そう」などと書かれた看板が目についた。このサルたちも、一度は人間になついたサルなのかも知れない。
それにしても、サル家族の行動を見ていると面白い。まだお母さんのお腹にしがみつく赤ん坊から、落ち葉や木の実を拾って観察するチビ2人組、高い木の枝を飛び回るやんちゃ坊主、奇声をあげてケンカをする若者、若い娘に毛づくろいされてご満悦のボス・・・。同じ霊長類として親しみがわくのは当然であった。