街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

2007-01-01から1年間の記事一覧

岐阜の名山;金華山

年末、郷里の山口県に帰省する途中に、岐阜駅に途中下車してみた。駅の近くには金華山(きんかざん;328m)というハイキングにぴったりの山があり、岐阜城やロープウェイもあって市民憩いの場となっているようなので、以前から訪れてみたかったのだけど、ず…

聖なる夜に感謝して肉を食え

クリスマス・ディナーの前に映画を見てきた。映画といっても、「食」をテーマにしたドキュメンタリー、その名も『いのちの食べかた』。原題は『OUR DAILY BREAD』とあり、宗教的な意味合いもあるらしいが、直訳すれば「日々の私たちのめし」といった感じか。…

西日本の紅葉巡り

幸い今年は紅葉が遅れているので、この時期に西日本の紅葉巡りを堪能することができました。関西から九州の紅葉名所ではイロハモミジやイチョウなどの紅葉がピークです。九州の低山では、ハゼノキの赤、アカメガシワの黄、コナラの橙がとにかく目立ちます。…

つかの間の紅葉巡り;富士河口湖

個人的には今年の”師走”は11月のようです。忙しさの合間を縫って、富士五湖の山中湖と河口湖周辺に紅葉巡りに行ってきました。主目的はこれ、カラマツの紅葉を撮ること。神奈川県ではカラマツはほとんど見ることができないのに、お隣の山梨県に行くとうじゃ…

CO2を最もよく固定する樹木は何か?

環境系の雑誌『ソトコト 12月号』に記事を書きました。特集「森の魔力」内の「CO2固定のための樹木カタログ」という4ページ記事ですが、本文の内容は、最近ブームの植樹活動にまつわる誤解や、我が国の木材自給率の低さ(20%)、海外の違法伐採にまで触れ…

岩峰・瑞牆山の紅葉と樹木

1週間遅れといわれる今年の紅葉適期を見計らって、山梨県の瑞牆山(みずがきやま:2230m)に登ってきた。今回の目的は、オガラバナ、ヒトツバカエデ、アサノハカエデの紅葉を撮影すること。 登山口に向かう途中、増富温泉のある標高1100mあたりから紅葉した…

日本一美しい!? 大雪山の紅葉

日本の紅葉は、大雪山から下ってゆく。北海道の最高峰・旭岳(2290m)を含む大雪山は、紅葉が日本一早いことで知られ、一説にはその美しさも日本一と聞く。三連休を避けて訪れた9月25・26日は、標高1500m前後が紅葉のピークを迎えていた。けれども生憎25日は…

魅せられたジブリ映画の背景画

美術館など見向きもしない自分が、珍しくすすんで美術館に行った。東京都現代美術館の男鹿和雄展。ジブリ映画「となりのトトロ」「もののけ姫」「平成狸合戦ぽんぽこ」などの背景画を描いている人で、これまでの作品や下絵を600点以上も公開した企画展(10月…

山の上で過ごす一日;飯豊山

高い山の登ると、空を撮りたくなる。子供の頃は、空なんていつでもどこでも見られると思っていたのに、空をきれいと思うようになったのはいつからだろう。きっと、汚い大人の世界に住むようになってからだと思う。・・・などと考えてみる。 晴天の土日、ベテ…

見せることに意義;クジラ解体

少し前にこのブログで屠殺場のことに触れた。でも自分は、屠殺場を訪れた経験がなかった。そんなとき、千葉県南房総市和田町でクジラの解体を見学できることを聞いたので、さっそく知人と一緒に行ってみた。和田町は日本に6カ所ある捕鯨基地のひとつで、年…

富士山で高山病を経験して思う

張り切って富士登山にチャレンジしたはいいけど、まさか高山病体験記を書くことになるとは思っても・・・みていた。一緒に登ったメンバーは同世代のフットサル仲間9人。その半数以上は登山初心者で、登山前に僕は「高山病は誰にでも起こりうるから、気分が…

日本有数の多雨地帯;屋久島の大雨

12日から16日まで、世界遺産であまりに有名になった屋久島に行ってきた。屋久島に特別関心が高かった訳ではないが、あまりに有名になったから行っておく必要を感じていた。屋久島といえば日本有数、いや世界有数の多雨地帯で、年間降水量は東京の約3倍、5000…

9日間21森;照葉樹林を巡る旅

7月12日から22日まで、屋久島、鹿児島、宮崎などの森を巡ってきた。台風と梅雨で大変な季節だったけど、鬱蒼とした照葉樹林にはむしろ雨が似合うかも知れない。写真は照葉樹林の町として知られる綾の照葉大吊橋。観察地と注目樹木の記録を以下に記しておく。…

日本のウルシ文化は何処へ

6月30日から4日間、青森県の下北半島〜八戸と岩手県北部をぐるっと回ってきた。今回の旅のメインは下北半島。海岸線にニッコウキスゲやノハナショウブの花が咲き乱れ、ハイネズやガンコウランが地面を覆う光景は、それはそれで印象的だった。けれども、美し…

夜道で轢いてしまったもの

むしむしした深夜0時過ぎ、駅から自宅まで標高差50mの坂道をマウンテンバイクで必死に漕いでいた。木々に囲まれた薄暗い路面に、キラッと細長い何かが光った。液体? ビニール? それをマウンテンバイクのタイヤが轢(ひ)いたとき、「ペチッ」と音がした。…

自休自足を考える

自給自足をもじって「自休自足」。そんな雑誌のタイトルを見て、いい造語だなぁと思っていた。20坪の畑を借りている僕の生活は、とても自給自足はできないけど、自休自足なら実現できているかも知れない。自分のペースで仕事をして、デスクワークに疲れると…

木がつくる異国情緒の景色

この景色、どこだか分かりますか? 僕はまず北海道を思い浮かべました。広い草原に点在する木々と明るい針葉樹の林。いや、それは北海道でも見たことない林・・・。ここは本州最大のアシ原が広がる栃木県の渡良瀬遊水池です。初めて訪れるだだっ広い湿地で偶…

丹沢が天国に最も近くなる日

丹沢でいちばん有名な花といえば、恐らくシロヤシオ(白八汐)だろう。葉が5枚ずつつくので別名ゴヨウツツジ(五葉躑躅)、樹皮が赤松に似ることからマツハダ(松肌)の呼び名もある。一般には愛子様のお印としても知られるが、樹木としてはむしろマイナー…

樹海彷徨う

申し訳ないが、青木ヶ原樹海といえば“自殺の名所”としか思っていなかった。子供の頃見聞きした本やテレビの影響が大きい。それに、溶岩上に成立した新しい森ということで、植生も単調でつまらないと思っていた。今日初めて樹海をまともに歩いて、そんなイメ…

お茶入りました

今年のGWは学生時代の同級生と静岡の友人宅を訪ねた。1日目は安倍川でバーベキュー、夜は静岡おでん屋で飲み、2日目は静岡市内の観光地めぐり。静岡といったらお茶でしょう。日本平を訪れた時に「お茶摘みできます」の看板を見つけ、惹かれてしまった。…

大菩薩嶺とほったらかし温泉

今冬は雪のある山に登っていなかったので、春の雪が残る大菩薩嶺(2057m:山梨県甲州市)に登ってきた。今回は珍しく、横浜に住む弟と一緒である。大菩薩は草原の山と聞いていたから、樹木ウォッチャーとしてはあまり興味なかったのだが、なだらかな山容は我…

ニリンソウ食す

毎年、春にはいろいろな山菜を食べている。「食」への興味は多くの人に通ずるので、植物にあまり関心がない人に対しても重要なアプローチとなる。だから、「味」を知っておくことはとっても有意義なのだ。今年もいくつか新しい山菜を食べてみたけど、中でも…

一足早い春の横浜へ

今年は記録的な暖冬。植物たちにとっての春の訪れはどうであろうか。そんな思いで、神奈川県は横浜市内の公園緑地を歩き回ってみた。訪れた場所は、本牧市民公園、三渓園、本牧山頂公園、山手イタリア山庭園、伊勢山皇大神宮など。写真は本牧山頂公園のカン…

小春日和の八ヶ岳〜霧ヶ峰へ

雪の八ヶ岳を散策しよう! と出かけたものの、ご存じの通り今年は例年にない暖冬。八ヶ岳の南麓は風のないポカポカ陽気で、畑の土手にはホトケノザやオオイヌノフグリの花が咲き乱れ、「春の房総半島に来たみたいだね」などと千葉の友人と話していた。とても…

日本で一番暑い真冬;八重山へ

沖縄の八重山諸島へ行ってみたかった。どうせ行くなら一番寒い時期に行ってみよう。旅費も安いし。てことで、Web繋がりの沖縄植物好きメンバー8人で、2月1日より5日間、石垣島と西表島に行ってきた。 まず気になるのはこの時期の気温。昼間は半袖、夜は…

国民年金の免除申請に思う

申し訳ないが、私は現行の国民年金制度に反対しており、国民年金を支払っていない時期が長らくある。国民年金制度を反対する理由は、老後の生活費は本来は自己責任であり、自分で貯蓄あるいは調達できる人(私の場合はその一つに印税がある)は自分で行い、…

スノーシューで冬芽観察

長野県白馬村でスノーシューを履いての冬芽観察会が開かれるというので、興味津々で参加してきた。今年は雪不足のため、この連休前まではスノーシューを履く必要もなかったそうだが、運良くと言うべきか、三連休中はずっと雪で、一晩で30cm以上も積もった。…