街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

ニリンソウ食す

 毎年、春にはいろいろな山菜を食べている。「食」への興味は多くの人に通ずるので、植物にあまり関心がない人に対しても重要なアプローチとなる。だから、「味」を知っておくことはとっても有意義なのだ。今年もいくつか新しい山菜を食べてみたけど、中でも以前から食べてみたかったのはニリンソウ二輪草)である。美しい山野草として人気があり、猛毒のトリカブトと同じキンポウゲ科でありながら例外的に食べられることで知られる。

 そこで今晩は、ニリンソウのお浸しをカラシ醤油で、それにニリンソウのおすましも作ってみた。お浸しは素材の味が最もよく分かる調理法と思うので、初めて食べる山菜にはなるべく試すようにしている。で、その味は・・・ん、初めて食べる味! シャキシャキした茎の食感に、春の瑞々しい草むらを思わせる軽やかな香味。なかなか個性があって良い、というのが第一印象である。でも、ある程度火を通してしまうとその香味は失われるし、特別美味というほどではない。明日は、卵やベーコンと炒め物にしてみよう。

 いずれにしても、ニリンソウの葉はトリカブトの葉とよく似ているので要注意。自分は直感的に両者を区別できるつもりでいるけど、いざ食べるとなると少し緊張してしまった。危険を冒して食べるほどの山菜ではないので、白い花や蕾がついている個体を採取するべきだろう。また、人気のニリンソウを摘むと怒られる危険性もあるのでこれも要注意。

【今春食べた山菜】
ニリンソウ(お浸し:特有の香味で個性ある)、ミツバウツギ(お浸し:クセがなくアブラナやホウレンソウ感覚)、アケビ(お浸し:苦味強い)、ヤブカンゾウ(生食:生でもイケル)、コオニタビラコ(ベーコン炒め:ベーコンがよく合う)、タンポポ(ベーコンサラダ:これまたベーコンがよく合う)、ノゲシ(湯通しして炒め物:やや苦味とクセがあるがイケル)、カラシナ(炒め物:生で炒めると苦味強い)、ショカツサイ(お浸し:クセなくてアブラナ同様に食える)、フキ(天ぷら:個人的には香り強すぎてパス)、ヨモギ(天ぷら:香りがあってイケルね)、ノビル(天ぷら:火通すと玉ねぎ風味になる)、タネツケバナ(お浸し:特別ウマくはないが素朴な風味)、セリ(天ぷら:クセなくて美味)、オランダガラシ(鰹サラダ:クレソンだもんね、そりゃウマイよ)、ギシギシ(お浸し:ヌルヌル感が良いがしっかりアク抜かないと酸っぱくてマズイ)