街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

2011-01-01から1年間の記事一覧

林将之・個展「葉っぱスキャンワールド」開催のご案内

この度、3回目となる個展を下記要領にて開催することになったので、ご案内致します。私がこれまで集めてきた葉っぱスキャン画像の中から、よりすぐったアート作品約30展を拡大出力して展示予定です。東京会場の全日、神奈川会場の初日は私も会場におります…

私は潰瘍性大腸炎

4年前に青森を旅した時、旅館に着くや否やトイレに駆け込んだ。昼食の貝が当たったのか? 帰宅後も下痢は断続的に続き、お腹はギュルギュル鳴り続け、ひどい日は10回以上もトイレに駆け込んだ。やがて、排便時にドロッとした半透明の粘液が出るようになり、…

原発タブーの崩壊

福島原発の事故以来、日本の報道が大きく変わったことがある。「原発タブー」の崩壊だ。 2年前、私が取材していた上関原発問題を、ある週刊誌の編集部に持ち込んだ時の話。若い担当編集者は「ぜひ記事にしましょう!」と意気込んでくれたが、数日後、「ボツ…

原発と私

拙宅は、山口県の上関原子力発電所予定地から13kmの距離にある。窓からは、美しい上関町の島々が見渡せる。福島原発でいえば、強制避難区域の円の中だ。 私が5歳の時、上関原発計画は浮上した。子どもながら直感的に不安を感じていたが、大学進学で関東に移…

クマは絶滅するのか

薄暗い山奥の森を歩くのは、あるリスクが伴う。クマ(ツキノワグマ)との遭遇だ。彼らが人を攻撃するのは、彼らも人を恐れている時で、本来は人を襲う動物ではない。鈴やラジオをつけ常に音を発することで、クマの方から遭遇を避けてくれる。 生態系の頂点に…

木材自給率26%

日本の食料自給率40%、エネルギー自給率4%が危惧されているが、木材自給率を知る人は少ない。26%を高いとみるか、低いとみるか。 本、書類、新聞、ティッシ、木のテーブル、合板の本棚、木造住宅……私たちは木や紙の製品を大量に使っているのに、野山を見…

木を見て自然を読む

クヌギ、シラカシ、モチノキ……。15年前、関東の千葉大学に在学中の私が、雑木林でまず始めに覚えた木々だ。図鑑やノートを片手に、葉っぱとにらめっこしながら木を調べ、ようやく名前がわかると感激したものだ。 主要な木は覚えたつもりで、山口県田布施町の…

バラ色の印税生活?

「印税で遊んで暮らせるんでしょ?」 年に1冊のペースで樹木図鑑を出版していると、そう羨ましがる人もいるが、現実は甘くない。売上100万部クラスの有名人と、自分のようなマニアックな本ばかり作っているのは訳が違う。 印税はよくて10%だから、定価1,000…

葉っぱ図鑑をつくる

大きくなったら何になりたい? と尋ねられても、答えに困った。子どもの頃から木が好きだったわけじゃない。好きだったのはむしろ魚や虫で、自宅の学習図鑑セットは、魚図鑑と昆虫図鑑はボロボロ、植物図鑑はピカピカだった。 高校で進路を決める時、「自然…

フリーライター

ときどきフリーターと間違えられるのだが、私の職業はフリーライター。専門は樹木で、これまで10冊の樹木図鑑を出版し、アウトドア雑誌や専門誌で記事を書いてきた。最近は「樹木図鑑作家」という偉そうな肩書きも使っているが、ライターにしろ作家にしろ、…

日本最西端の2000m峰・白山の植生を見る

今年はまだ高山に登っていなかったので、前から興味のあった石川・岐阜県境の白山(はくさん・標高2702m)に登ることにした。白山といえば、日本最西端の2000m峰で、花が豊かな百名山として知られ、多くの高山植物の西限地帯になっている。日本アルプスから…

灯籠流しで出会った青い光

山口県光市の拙宅前に広がる入り江、御手洗湾(みたらいわん)に面した普賢寺では、毎年この季節にご先祖様の魂を送る灯籠(とうろう)流しが行われている。この場所に住んで2年目、灯籠流しを見るのも2回目だ。昨年は風が強く、灯籠が思うように海原へ広…

群馬の奇岩・妙義山に登る

すごい岩山、というイメージがある群馬県南西部の妙義山(みょうぎさん・1104m)に訪れた。赤城山、榛名山(はるなさん)とともに、群馬では上毛(じょうもう)三山として知られる山だ。車や電車の窓からもその姿はよく目立つが、ネットで下調べをしても植…

秋の石鎚山と面河渓の樹木観察ツアーはいかが?

季節外れの写真を載せますが、これは昨年10月23日に四国の石鎚山(いしづちやま)、面河渓(おもごけい)、しまなみ海道を訪れたときの写真です。ここを訪れた理由は、今年の10月18日から3日間、当地で樹木観察ツアーの講師を務める予定だからです。主催は、…

広島で個展『葉っぱスキャンワールド』開催中

準備や宣伝が遅れてドタバタでしたが、広島市植物公園にて5月28日から6月9日までの2週間、私がこれまでスキャンしてきた植物スキャン画像の展覧会『葉っぱスキャンワールド 〜スキャンされた植物が魅せる癒しのアート』を開催しています(詳しい紹介はこちら…

一度は見たかった秋吉台の山焼き

新燃岳噴火!? 山火事!? いえいえ、これは日本最大級のカルスト台地として知られる、山口県美祢(みね)市の秋吉台(あきよしだい)の風物詩です。カルスト台地というと、緑の草原に白い石灰岩がたくさん突き出た風景がイメージされますが、この風景は「山焼…

中四国・冬の低山巡り

真冬の瀬戸内海は水温が外海以上にしっかり下がり、浅場では魚がめっきり釣れなくなることが分かったので、釣りはしばらくお預けです。という訳で(はありませんが)、冬は森に行きましょう。今冬に訪れた低山の記録をつけておきます。 鯛ノ峰(山口県周防大…

チヌの神様、舞い降りる

チヌ、標準和名でいうクロダイといえば、陸釣りで狙う大物魚の定番で、小学生の頃から憧れていた魚だ。20cm級のチヌなら、アジ狙いのサビキ仕掛け(エビなどに似せた擬餌針を多数垂らして釣る方法)でも時々釣れるけど、40cm級となると夢の世界だった。 1月6…