街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

広島で個展『葉っぱスキャンワールド』開催中

 準備や宣伝が遅れてドタバタでしたが、広島市植物公園にて5月28日から6月9日までの2週間、私がこれまでスキャンしてきた植物スキャン画像の展覧会『葉っぱスキャンワールド 〜スキャンされた植物が魅せる癒しのアート』を開催しています(詳しい紹介はこちら)。この規模での個展を開催するのは、08年に神奈川県秦野市で行って以来2度目で(前回の様子はこちら)、ご好評いただいた前回と同様に約35点のスキャン作品を展示し、約10点を新作と入れ替えました。中でも今回の目玉は、人間サイズに拡大出力したクサソテツ(山菜名コゴミ)。訪れたお客さんは、皆さんその立体感と迫力に驚いてくれます。


 会場内には、展示作品と同じポストカードや、スキャン画像を多用した著書(サイン入り樹木図鑑)も展示販売中です。山口県光市の流木アーティスト・田中陽三さんからお借りした流木や、植物公園の温室などから拝借した生の葉っぱも飾って、相方のデザイナー・keikoさんの協力を得ながら、みずみずしい空間を演出しました。屋久島の自然音をBGMに、癒しの空間を堪能していただけると思います。


 今回は、春夏秋冬の四季ごとに作品パネルの色や素材を変えてみました。春は白、夏は薄緑、秋はベージュ、冬はグレー。普通の写真や絵と違って、スキャン画像は白バックが基本で、鮮明な立体感が特徴なので、立派な額縁に入れるのではなく、シンプルなリアル感を重視しています。また、スキャン画像をTシャツにプリントした試作品も展示しています。


 今回の展示で人気を集めた作品の一つが、この「冬芽(ふゆめ)の顔」です。冬芽とは、木の枝についた冬越しするための小さな芽のことで、葉痕(ようこん)と呼ばれる部分が人や動物の顔に見えることが多く、予想外の可愛さに子どもも大人も喜んでくれます。なお、この冬芽の顔は、拙著『冬芽ハンドブック』の裏表紙にもなっています。


 もっと早くブログの更新や個展のご案内ができればよかったのですが、3.11の東日本大震災で仕事に集中できなくなり、新しい著書『葉っぱで気になる木がわかる』(廣済堂出版・5月26日発売)の制作が遅れて個展の準備とも重なってしまいました(汗)。広島市植物公園はちょっとアクセスが悪いこともあり、広報不足と相まって客足は疎らですが、今後も東京やその他の都市でも開催できればと思っているので、関心のある方はどうぞ声をかけて下さい。なお、前述の新刊は、樹木鑑定サイト「このきなんのき」を元にしたQ&A形式の新しいタイプの樹木図鑑なので、こちらもどうぞよろしくお願いします。


葉っぱで気になる木がわかる

葉っぱで気になる木がわかる

冬芽ハンドブック

冬芽ハンドブック