街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

チヌの神様、舞い降りる

 チヌ、標準和名でいうクロダイといえば、陸釣りで狙う大物魚の定番で、小学生の頃から憧れていた魚だ。20cm級のチヌなら、アジ狙いのサビキ仕掛け(エビなどに似せた擬餌針を多数垂らして釣る方法)でも時々釣れるけど、40cm級となると夢の世界だった。

 1月6日、そのチヌがとうとう釣れました! それも2匹連続で、44cmと40cm。いやぁ、嬉しいものです。その気持ちがこの勝ち誇った顔に表れてます。本格的な釣り人に言わせれば、「あぁ、チヌね」という程度かも知れませんが、遊び程度に雑魚しか釣ってなかった僕にとっては、これは大きな出来事。いよいよ釣りの醍醐味を知る領域に入ってきた感じかな。
 ちなみにこのときの仕掛けは、ジェット天秤とカレイ仕掛けの針に、ボイルのオキアミをつけたもの。隣でオキアミボイルをエサに青物(ブリ?)を狙っていた釣り人たちが、釣れないから帰るといって余ったエサをくれたので、それをつけて投げてみると、1投目で44cm、2投目で40cmが掛かったのでした。エサをくれた彼らもすぐ駆け寄ってきて、うらやましそうな表情。もらったオキアミボイルで釣ったと話すと、愕然としてました。つまり、彼らが中層で多数バラまいてくれたオキアミボイルが底に沈み、それを食べにチヌが群がっていたのでしょう。こんな釣り方もあるものだと、いい勉強になりました。

 当然ながらチヌ君は、こうなる運命にあります。家に持ち帰ってもなかなか死なないので、感謝の祈りを捧げて、脳みそを包丁でゴリゴリ突いて絞めます。釣りと料理をやっていると、こうした命の恵みの有り難さも実感できます。出来上がった刺身は、さすがにボリュームたっぷりで、歯ごたえもプリプリ! 釣り人ならではの特権を堪能したのでした。

 翌日は、もう1匹のチヌ君で瀬戸内郷土料理(らしい)の「ちぬめし」を作りました。ネットで知って初めて作ったのですが、実に美味くてオススメ。レシピは簡単。チヌを3枚におろして骨を取り除き、塩を強めに振ってしばらくおいた後に洗い流します。塩少々、酒少々、昆布とともに、気持ち少なめの水でセットした炊飯器に入れて炊きます。シンプルですが、身をほぐして食べると鯛めしに劣らず美味で、冷めてもおいしいです。

 実はこのチヌが釣れる前に予兆がありました。正月3日に周防大島なぎさ水族館で買った「チヌストラップ」を携帯につけると、その日と翌日に、それまでほとんど釣れなかったチヌ(20cm級のキチヌですが)が何匹も釣れ、2日後には今回の大チヌが釣れたのでした。新年早々に舞い降りてきてくれたチヌの神様に、改めて感謝☆