街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

私は潰瘍性大腸炎

 4年前に青森を旅した時、旅館に着くや否やトイレに駆け込んだ。昼食の貝が当たったのか? 帰宅後も下痢は断続的に続き、お腹はギュルギュル鳴り続け、ひどい日は10回以上もトイレに駆け込んだ。やがて、排便時にドロッとした半透明の粘液が出るようになり、血も混じり始めた。食中毒に痔を併発したのか?
 10ヶ月後、お酒を飲んだ翌日に高熱が出て、ようやく病院に行った。内視鏡検査の結果は、潰瘍(かいよう)性大腸炎。若者を中心に急増中の難病で、原因は不明だがストレスや食の欧米化が一因ともいわれ、悪化すると大腸ガンを招く。看護士さんに「一生付き合う病気ですよ」と言われ、目の前が暗くなった。
 以降私は、野菜と魚中心で低脂肪の食生活を心掛けている。考えてみれば、幼少期から胃腸が弱く、牛乳や油物でお腹を下すのは日常茶飯事だったが、それでも「好きだから」と、肉料理やジャンクフード、洋菓子などを食べ続けたのがたたったのだろう。
 最近は、食生活だけでは症状が改善しないことに気づき、パソコン漬けの過労を避け、早寝早起きを心掛けると、調子はよくなった。身の回りで獲れる自然な食物を食べ、太陽のリズムで暮らす。私は病気になることで、自然と共に生きることの大切さに気づかされ、むしろ健康になった気さえしている。


※この文章は2011年7-8月に山口新聞「東流西流」に掲載された連載記事を一部修正したものです。