街森研究所

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潰瘍性大腸炎と食生活の一考察

 以前、現代若者の難病・潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)を患うまでの経緯を書きましたが、今回はその食生活についてメモしておきます。潰瘍性大腸炎の直接の原因や治療法は解明されていませんが、僕は昔から間違った食習慣を続けてきた心当たりがあるし、今は食生活に気を付けていれば普通の生活を送ることができます。日常の食生活がいかに大切かを考えさせられます。

 そもそも僕は、昔から胃腸が弱いことは自覚していました。小学生の頃から朝食(洋食)で胃もたれすることが多かったし、冷たい飲み物でお腹を下すこともよくありました。でもそれが習慣化していたので、食生活を改めることなく過ごしていました。また、海に近い港町に育ったので、実家では魚中心の和食の夕食が多かったのですが、その反動で、一人暮らしを始めると肉中心の食生活に一転しました。油こてこての中華や洋食ばかり作って食べていました。加えて、カロリーたっぷりの洋菓子が大好きで、社会人になるとパソコンをしながらお菓子を食べる癖がつき、バクバク食べてました。

 こうゆう積み重ねがいけなかったのでしょうね。特にお菓子のバカ食いが一番の原因と自分では思っています。タバコは吸わないしアルコールも適量だったので、僕の場合はお菓子でストレス発散していたと言えます。精神的ストレスは貯めていないつもりでも、偏った食生活で体にストレスが貯まってたみたいです。以下に、潰瘍性大腸炎を患った原因と思われる僕の食生活や体質を書き出してみます。共通項の多い人は注意して下さい。

  • マーガリンや油料理で胃もたれしやすい。
  • リンゴやトマトの皮、ミカンの内皮、海藻などで胃腸に負担がかかりやすい。
  • 胃にたまっている消化不良物が口まで逆流してくることがよくある。
  • 牛乳は大好きだけど、牛乳でお腹を下しやすい。
  • しょっちゅう下痢しているので、お腹を下すことはさほど気にならない。
  • 魚よりも断然肉の方が好き。毎日肉を食べたい。
  • さっぱり料理よりこってり料理が好き。濃い味が好き。
  • 大人になって肉料理ばかり食べている。
  • 煮物は滅多に作らない。
  • あまりよく噛まずに食べる。満腹になるまで食べることが多い。
  • マクドナルドなどのジャンクフードが好き。
  • ジュースなどの冷たい飲み物やアイスが好き。
  • バターやチョコ、チーズ、砂糖などをたっぷり使った洋菓子が好き。
  • お菓子を1日2袋も食べてしまう日が多い。
  • 合成保存料や合成着色料を含んだお菓子をたくさん食べると胃腸を壊す。

 潰瘍性大腸炎患者の食生活は、「低脂肪、低残渣」が基本と言われます。残渣(ざんさ)とは、消化できずに残るカスと思って下さい。でも、人それぞれ体質や考え方があるので、何が食べられないかはいろいろ試さないといけません。僕の場合は、これまでの経験と勉強した知識で、以下のような食生活を心掛けています。

  • 肉類は食べない。牛、豚はもちろん、鶏もダメ。でも卵はOK。
  • 揚げ物や炒め物など油料理は極力避ける。油を使うならエゴマ油やオリーブ油を使う。
  • マーガリン、ショートニング、合成油を使った食品は食べない。
  • 魚は積極的に食べるけど、脂の多いサバやハマチはほどほどにする。
  • 牛乳などの乳製品は原則食べない。チーズやヨーグルトもなるべく避ける。
  • チョコ、バター、ナッツ類などの高脂肪のおやつはなるべく避ける。
  • 冷たいジュースやアイスはなるべく避け、温かいお茶やフルーツを食べる。
  • アルコールは基本的に飲まない。飲んでもビール1杯ぐらいで強い酒はダメ。
  • 繊維質の野菜や玄米などは、腸を鍛えるために適量をよく噛んで食べる。
  • 消化にしくそうな果物や野菜の皮や繊維は、遠慮せず残す。
  • 砂糖や甘味料をたくさん使った食べ物はなるべく避ける。
  • 唐辛子などの刺激物は避ける。
  • カロリー摂取のメインは炭水化物、特に米とする。
  • 腸の負担を減らすため、腹八分目を目安にする。

 僕は症状が軽いこともあり、これらを守れば健康な人と同じ生活を送れます(毎晩お尻から入れる100ccの「ペンタサ」注腸剤〈写真〉はまだ欠かせないけど)。でも、これらを全て守ろうとすると、外食やお弁当では必ず食べられない物があるし、食料品を買うときも原材料表示を細かくチェックする必要があります。そのため、自炊していれば好調を維持できても、外食後や旅先で体調を崩す(下痢、下血、ウミが出る)ことが増えました。飲み会や食事に誘われてもテンションが上がらないのもこの病気の難点です。

 また、安くて大量生産されているような食品には、概して体に悪い物が含まれていることを実感します。健康食品コーナーに足を運ぶことが増え、日常の食費は1.5倍になったかもしれません。でも、食費にこれくらいかけるのがむしろ妥当となのでは?とも思います。日本人は、生活水準を上げるためにエンゲル係数を下げすぎてしまい、その結果、体に良くない食べ物をたくさん食べることになり、こうした現代病や精神病、アレルギーなどが蔓延しているのではないでしょうか?

 僕にとっては、焼肉屋やファーストフード店は一生「おさらば」となってしまいましたが、世間では、小さな子供を連れてマクドナルドに入り浸る親子や、子供が望むだけお菓子を与える親、レトルト食品ばかり食べている家庭を目にする機会が増え、彼らの将来がとても心配になります。食の安全が叫ばれる昨今だからこそ、もっと食べ物にお金をかけ、自分(自国)で食べ物を作ることの大切さが求められていると僕は思います。