銀世界へ行ってみたいと思いませんか;恐羅漢山
冬芽観察と雪山登山をしたくて、2月20日に広島県と島根県の最高峰である恐羅漢山(おそらかんざん・1346m)に登ってきた。恐羅漢といえば、中国地方ではスキー場としてよく知られている。中国地方西部では、島根県邑南町(おおなんちょう)の瑞穂ハイランドと並んで、雪が多いスキー場として人気がある。この日も、前日雪が降ったこともあって積雪95cm。ベストコンディションだ。
リフトを使えば山頂そばまで一気に登れしまうのだが、ゲレンデを横目にマンサク製のかんじきを履いて、樹林の中を地道に登る。今日は天気がよくて風もなく、新雪が降り積もった樹氷の中を歩ける絶好のハイキング日和。朝から多くの登山客が訪れているようで、登山道は既に立派にラッセルされていた。雪景色はやっぱり美しいなぁ。快適だなぁ。
昼飯は温かい雑炊を作って食べる。こんな美しい雪景色の中で食べれるのは最高だ。ベテラン登山愛好家のお二人と登ったので、料理もお任せのお気楽登山。慣れない雪山の美しさに見入って、歩くスピードもつい遅くなる。
標高が上がるに連れ、木々の枝につく雪の量が増えて樹氷がすごくなってくる。落葉樹の樹氷は繊細なガラス細工のよう、スギの樹氷はまさにモンスターみたい。そこにまぶしい日光が差し込み、深い青空が広がる。雪山常連さんには当たり前の景色かも知れないが、僕にとってはこの世のものとは思えない銀世界だ。多くの人にこの自然の美しさを見てほしい。
山頂に着いた後は、スキー場のゲレンデにビニールの肥料袋を広げ、尻で滑って降りる。この無様な格好(写真は僕です)を、登山用語のグリセードを文字って「シリセード」と呼ぶらしい。もちろんこんな格好でゲレンデを滑る人はいないし、自分も初体験だ。ボーダーたちの視線も熱かったが、かなり楽しい冬山ハイキングであった。