街森研究所

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国民年金の免除申請に思う

年金手帳だよーん


 申し訳ないが、私は現行の国民年金制度に反対しており、国民年金を支払っていない時期が長らくある。国民年金制度を反対する理由は、老後の生活費は本来は自己責任であり、自分で貯蓄あるいは調達できる人(私の場合はその一つに印税がある)は自分で行い、その自信がない人はこうした年金制度を利用するのがあるべき姿と思うからだ。また、20代の頃から月々1万数千円の支払いを課すことは、若い世代の投資的な資金を奪う、すなわち夢や希望までを奪う可能性があり、自分だってこれまで国民年金を全額支払い続けていたなら、今日までに達成できなかった「夢や希望」もあるかも知れない。

 とにかく、年金制度は無条件的な義務ではなく、運用方式も含めてある程度自由度を持たせた選択制にすべきということと、若い世代からは無理に搾取すべきではない、というのが私の主張である。(※現行では20歳代の国民年金支払いを免除する若年者納付猶予精度があるが、自分の頃はなかった。)

 そんなこんなで、私は国民年金を支払っていない時期が長かったのだが、低所得者に対する保険料免除制度があるのは知っていた。自営業者の場合、サラリーマンと違って必要経費が多く発生するので、確定申告書上の所得は年収に比してかなり少なくなる。特に私のように、仕事とプライベートに明確な境界線が引けない職業柄だと、なおさら書面上の所得は少なくなる。(例えば友人とスキー旅行に行ったとしても、スキー場に生えている木々の冬芽を撮影したり、車中から見える森林の様子を観察している私にとっては、間違いなくその何割かは必要経費である。)で、きっと自分は免除の対象になるはずと思っていたのだが、腰が重くてずっと申請をしていなかった。それを今日初めて申請してみたら、驚くほど簡単に手続きが済んでしまった。

 市役所の国民年金課に行き、「免除申請したいんですけど」と言って年金手帳を渡すと、パソコンの前に座ったおばさんが年金手帳の基礎年金番号をカタカタと入力し、直後に「はい、あなたは全額免除できます」と言ってきた。え! せっかく過去の確定申告書の控えを持参したのに、もうそのパソコンには全データが入っているの!? それならわざわざ申請に来させなくても、簡単な連絡だけで免除にさせてよ・・・。確定申告時に一緒に手続きすることだってできそうだし・・・

 過去の数年間も恐らく全額免除できたはずだが、具体的な条件や方法を調べたことがなかったから、ずっと「未払い」扱いになっている。けれども、過去にさかのぼって免除申請することはできない。確定申告のデータは市役所のパソコンに入っているが、個人データなので本人が申請に来ない限りチェックできないという。年金の未払いは当然ながらチェックされていて「催告状」が送られてくるのに。ま、自分のこれまでの怠惰を反省するのがまず第一だろう。最後にそのおばさんが笑顔で一言、「年金の支払いは2年前までさかのぼってできますよ」。