街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

日光まで行って無名の小山で心和む

外山全景


紅葉も終わりに近づいた栃木県日光に行って来た。主目的は、カエデ類などが充実しているという日光植物園への個人的取材だが、日光まで来て植物園だけしか見ないのはもったいないので、余った時間で東照宮のやや後方にある外山(880m)に登ってみた。標高880mと言えども、日光の街自体が標高600m前後あるので標高差は300m弱だ。本当は鳴虫山(1103m)を考えていたのだが、少し前に膝を痛めたのでやめておく。外山を選んだ理由は、地形図で植物園周辺を見回していたら偶然見つけただけで、日光市街から歩いて行けるし、山頂には広葉樹林マークがあったから決めた。

登山道入口が若干分かりにくかったが無事発見、780mあたりまでは暗いスギ林を登る。尾根に出ると、紅葉した広葉樹林が南側に広がり始めた。私は登山道をはずれて、広葉樹林の岩場の方を登ってみた。岩上にはオノオレカンバ、アブラツツジアカヤシオなどこの土地特有の木が多く生え、小さい山ながら自然性も高いことを感じる。こうゆう名も無き小山は好きだ。風もなく、穏やかな日差しが赤や黄色の葉を透かして差し込み、ポカポカと暖かい・・・あぁ・・・。

平日からこうしてう山や森に行っていると、知人から「仕事? プライベート?」とよく尋ねられる。両方を兼ねているつもりだが、どっちに当たるのかはよく分からない。でも、こうして気持ちよく癒されていると思う瞬間が毎回あるのは確かだ。つらい仕事、楽しいプライベート、という境界はなくても良いのではないだろうか。

急斜面を登りつつたどり着いた山頂には、地元のおじさんが棒を持って立っていた。おじさんはつぶやいた。「人か・・・。道がない方から物音が近づいて来るから、サルか、クマか、と考えてたよぉ」。どうやら冷や汗かかせてしまったようだ。それは失礼しました(^^ゞ

【今日見た注目種】
オノオレカンバ、アブラツツジアカヤシオトウゴクミツバツツジヤマツツジ、ナンキンナナカマド、ブナ、ミズナラ、ヒノキ、フカギレオオモミジ、オニイタヤ、メグスリノキ、ウメモドキ、フジウツギ、ゴジュウカラ(鳥)