霧島火山のほとりで死を思う
南九州への個人取材で、霧島火山群の第二峰・高千穂峰(1574m)に登った。山頂手前の火口では今も蒸気が噴き出しており、あたりに硫黄臭が漂う。その火口のふちを通るルートは通称「馬の背」と呼ばれ、なるほど道幅が狭く、地面は溶岩ゴロゴロ、両側ははるか下方に急斜面が続いている。火口側から雲とともに強風が吹き上げ、腰を低くして歩かないとバランスを崩しそうで危険だ。
ふと思った。もしこの強風に飛ばされて急斜面を転げ落ちたら、死ぬかもな。きっと自分が死ぬ時はこうゆう自然の中での事故死の可能性が高いだろう。でもでも、コンクリートに囲まれた部屋で何本もの管につながれて死んでいくより、よっぽど人間らしいじゃないか!
地元のちびっ子たちは遠足でこの山に登ったりするらしい。たくましい子が育つだろう。