街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

生田緑地のドジョウに拍手

下:ホトケドジョウ、上:イモリ幼生


 最近、やたら水槽の中ばかり書くようになってしまった。それくらい、水槽ワールドは楽しい。

 先週末に川崎市北部にある生田緑地を訪れた。工業地帯のイメージが強い川崎市においても、北部は緑が比較的多く残っており、市内最大の公園といえる生田緑地には湧水や雑木林が健在である。我が家の水槽は、ここ1カ月ほど魚類が不在だったので、生田緑地の小川で魚を捕まえることにした。ショウブ園の脇の小川をのぞいてみると、いるいる、小さな小魚がピンピン泳いでいる。どうも普通のメダカとは違う雰囲気だが、まあよい、持って帰ってからじっくり観察してみればいい。ターゲットの魚をやさしく両手で隅に追い込み、さっとすくい上げる。その小魚2匹と、メダカらしき稚魚2匹を捕まえ、フィルムケースに入れて持ち帰った。

 水槽に投入したはいいが、この小魚、本当によく泳ぐ。よく観察してみると、口元に短いヒゲがちょびちょびあるではないか。ドジョウ!? ネットで調べてみると、やっぱしドジョウだった。それも、主に湧水にすむホトケドジョウのようだ。貴重なドジョウと聞いてたのだが、生田緑地にはこれがたくさんいた。さらにネットで調べてみると、どうやら生田緑地ではホトケドジョウの増殖活動が行われていることが分かった。となると、勝手に捕まえて持ち帰って良かったのかと少々不安になるが、生きもの採取を禁止する看板もなかったし、近くにいたファミリーもたくさん捕まえていた。

 近年、数少なくなった生きものを再生させる活動は各地で行われている一方で、そのためか「動植物の採取禁止」という看板を見かける機会も増えた。しかし、生田緑地の場合はホトケドジョウの増殖にも成功しているようだし、その採取も(多分)規制していないようだ。それが素晴らしいと私は思った。生きものは、捕まえたり、飼ったりしてこそ、その素晴らしさに気づくものであり、それを禁止してしまえば、自然の大切さを実感することすらできないってもんだ。その代わり、自由だからこそ節度が大事であり、捕まえすぎないこと、放す時は元の場所に放すことをしっかり守らなければならない、と思った。

(ちなみに植物の採取は厳禁と看板があった)