街森研究所

街や森で出会った木々や生き物、出来事などを紹介しています

大都会・東京の大自然・多摩川

粘土層が裸出した川岸

仕事の帰り道、東京は昭島市多摩川河原を3キロほど歩いてみた。ヤナギ林などの自然が比較的よく残っている場所で、前から見てみたかった場所だ。東京の都市部といえば、もはや自然はみじんも残っていないと思いがちだが、多摩川という美しく大きな川は、驚くほどの大自然を有している。それは、土手の内側に広い河川敷を持ち、川岸まではアシ原の中を数百メートルも歩かないと行けない場所が多いことにも関係していると思う。だから、アシ原を抜けた場所に立ち入る一般人は少なく、原生状態に近い自然が広がっている。中州なんかはより手つかずの自然に近い。

今日歩いた場所は、アシ原に加え、ニセアカシアやオニグルミを主体とした河畔林があった。ホームレスの人が主に歩いていると思われるあぜ道をたどると、やがて川岸についた。その地形がまた実に面白い。白い岩のように見える地面は、どうやら粘土状の土が固まってできたもののようで、そこを川の水がえぐるように溝をつくって流れている。どこかの景勝地に来たような光景が、こんな東京の都市部で見られるとは新鮮な発見だった。

しかし、そのまま川岸を歩き続けると、随所にゴミが目立った。ほんの数時間前までホームレスが寝ころんでいたと思われる形跡もあり、体を包むシート、おかしの袋、ペットボトル、コンビニの弁当箱などのゴミが周囲にそのまま放置されている。釣りや焚き火をしている高校生がいるのは良いが、そのすぐ後ろには食品類のビニールゴミが山積みにされていた。やはりここは東京だ。

後で知ったのだが、川岸に粘土状の白い土が裸出していたのは、上流にいくつもダムがあって土壌が流れ来ないためだと言う。やはりここは大都会だった。

【今日見た注目種】
コゴメヤナギ、シダレヤナギ、タチヤナギ、イヌコリヤナギ、ネコヤナギ、オノエヤナギ、ニセアカシア、ヤマウコギ、ニシキギ、イボタノキ、クコ、ノイバラ、アケビピラカンサカシラダカ(鳥)