集落の小山の神社
森巡りをする私にとって、「好きなタイプの森」がいくつかある。その一つが、集落の小山に残るちっぽけな神社林である。今回、千葉県の最南端・旧白浜町(合併により南房総市という味気ない市名に変わってしまった)を訪れる機会があったので、地形図上で見つけたちっぽけな神社に照準を合わせてみた。高さ20mぐらいの小山の上に神社マークがついており、期待ができる。
車で目的地に近づくと、突如その森が屋根の間から現れた。「あれだ!」 一目見て分かる期待通りの風貌に、かなりワクワクした。そもそもこの地を訪れたのには目的がある。「モクレイシ」というニシキギ科の南方系樹木がここ白浜町塩浦で記録されており、分布東限にあたるその自生状況を見てみたかったのだ。「この森なら期待できる」。そう確信して歩き始めると、出ましたモクレイシ! 樹高1m程度の若木から5m程度の花をつけた成木まで、少なくとも5個体前後を観察できた。結局この森に居座ること約1時間。いやぁ、良い森だった。